高重量の筋トレと効かせるトレーニング、結局どっちがいいの?

「トレーニングは高重量でやるべきだ!」
『いやいや、軽くてもいいから効かせるトレーニングをするべきだ!』
こうした高重量VS 効かせるトレーニング論争にそろそろ終止符を打とうと思う。
こんにちは、みのです。
Twitter やGoogleにて筋トレ情報を漁っていると必ずぶち当たる話題。
「高重量」VS 「効かせるトレーニング」
さて、これはどちらが有効なのでしょうか?
そしてなぜこうした論争が起きるのでしょうか?
今回はこの論争にみのなりの答えを出してみました。
結論
ボディメイクは最大収縮を意識、アスリートは反動を用いることを意識して、目的ごとに考えよう。
そもそも筋肉が増えるということは?
まず前提条件の整理をしましょう。
高重量派も効かせるトレーニング派も、どちらも筋肉を大きくしたいという目的には変わりありません。
どちらも目的は同じということはまず理解してください。
その上で「どちらが効率的か」ということをひたすら議論しているわけです、彼らは。
そして筋肉が増えるには以下2つの条件のうちのどちらかが必要です。
- 扱う重量が大きくなった
- 力を発揮する筋肉が少なくなった
ではそれぞれについて見ていきましょう。
扱う重量が大きくなった
扱う重量が大きくなったというのは読んで字のごとく、重量アップですね。
いわゆるマックスが上がったという状態です。
より重いものを挙げられるようになったので、筋肉がついているわけです。
単純ですね。
力を発揮する筋肉が少なくなった
問題はこっち。
発揮する筋肉が少なくなる理由は2つあるので、それぞれ見ていきましょう。
動員する筋肉を減らした。
力を発揮する筋肉が少なくなったというのは、大袈裟に言うと今まで2つの筋肉を使って10kg 挙げていた種目を1つの筋肉しか使わないようにしたということですね。
今までフォームがおかしかった種目を矯正して、本来の使うべき筋肉のみでトレーニングを行うようになるとそうなります。
つまり相対的に稼働する筋肉が減ったということですね。
サボって筋肉が減った
これはそのままですね。
使わなかったために筋肉が分解され、筋肉の絶対量が減ったということです。
つまり前者はいいですが、後者はダメですね。
この2視点から見えること
この2つの視点はそれぞれ筋肉増加に必要な要素ですが、これを見てなにか気づくことがありませんか?
。。。
そう。
前者(扱う重量が大きくなった)が「高重量」、後者(発揮する筋肉が少なくなった)が「効かせるトレーニング」ですね。
つまり、「どちらがいい」ではなく、「どちらも必要な要素」なわけです。
それを「要素」と考えないで「唯一絶対の解」と捉えてしまうから議論がややこしくなるわけですね。
最大収縮を維持しつつ、扱う重量を上げていくというのがみのの解になります。
ではこの解が導けたところで、ボディメイクをするビルダーメソッドと、アスリートメソッドの違いについて解説してみましょう。
ビルダーメソッド
目的
ボディビルダー、それからボディメイクをする方の目的はなんですか?
そう、筋肉を大きくすることです。
つまり上手に身体を動かす必要はないのですね。
ただただ、筋肉が大きくなればいいわけです。
なぜなら審査項目に「50m のタイム」や「走り幅跳びの記録」が含まれないからです。
ただただ筋肉の大きさ、出来で勝敗が決まる世界です。
では、どうしたら少ない回数で筋肉が大きくなるでしょうか?
つまり効率の良いトレーニングができるのでしょうか?
反動を使わない
最も大切なことは反動を使わないことです。
なぜなら反動を使っている=前回の運動のエネルギーを転用しているということになるからです。
直感でわかる反動の例
あなたはジェットコースターに乗ったことがあるでしょうか?
大抵の方があると答えるかと思います。
ではジェットコースターが意外に省エネなのは知っていますか?
「え?」と思われた方、以外にいらっしゃるかもしれませんね。
なんせ高速で数分稼働し続けるジェットコースターですから。
ですがあいつは始めに動力で上に持ち上げ(位置エネルギーを溜め)て、あとはその位置エネルギーを運動エネルギーに転換しているだけです。
図で表すとこのようになります。

参照:http://www.chuden.co.jp/kids/ecoland/idea/08/01.html
以上は中学理科の復習です。
ではこのジェットコースターとウエイトトレーニング、一体どのような関係があるのでしょうか?
反動と筋肉への負荷の関係性
ここまで何を話していたかというと、反動を使わないでトレーニングするということです。
反動を使うというのはすなわち、その前の動作運動エネルギーをそのまま転用しているということになります。
なので、筋肉によって生み出した力によってバーベルやダンベルが上がっているのではないということですね。
=筋肉をあまり使っていないということになります。
ここからは脳内シュミレーションです。
- 今、あなたは筋肉に刺激を入れて大きくしたいです。
- ですが反動を用いると筋肉ではなく、前回の動作のエネルギーを転用してしまいます。
- 筋肉に刺激を入れたい場合はどうやって動作を改善しますか?
答え:反動を使わない
です。
結論が出ました。
つまりより筋肉に効かせるトレーニングをするのなら、反動は使わずにトレーニングをしたほうが良いということです。
これがボディメイクの筋トレの大前提ですね。
最大収縮で行う
加えて意識すべきなのが筋肉を100%使うということです。
これは簡単に言うと、「ベンチプレスをこれまでより3センチ深く下げるようにする」といった可動域を最大までとるということです。
専門用語で「最大収縮でトレーニングを行う」といいます。
(補足:筋肉は縮む幅が決まっています。
一番伸びている状態から一番縮んだ状態まで負荷をかけることで、筋肉は最大の仕事をします。
これによって筋トレ効果を最大にすることができるというわけです。
これが最大収縮理論です。)
つまり筋肉を100%動かすことによって、より高い出力を発揮して筋肥大を促しましょうということです。
重いほうがいいのか?
反動を使わずに最大収縮でトレーニングをしたほうが良いことはわかりました。
では、この2つの条件を満たせば重り(負荷)は軽くてよいのでしょうか?
いいえ。
重いほうがいいに決まっています。
なぜなら高重量を扱うほど、筋肥大効果が上がるからです。
よくトレーナーで「効かせるトレーニングを行えば軽くても筋肥大する!高重量は無意味だ!」ということをおっしゃっているひともいますが、生物学的に考えて重いものを挙げるほうが筋肥大効果は高いはずです。
自分のメソッドを信じたい気持ちもわかりますが、良いものがあったらBest MIX で行うべきですよ。
まとめ(ビルダー版)
ここまででボディビルダー式の最適トレーニング方法について解説してきました。
以下の要点を外さずに行えば完璧です。
- 反動をつかわない
- 最大収縮で行う
- 出来る限り高重量で行う
では次にアスリート式の最適トレーニング方法を解説していきましょう。
(ボディメイクのみが目的の方はここまで読むだけで今回必要な知識は全て得られています。
スポーツが上手になりたい方はこの先も読み続けてください。)
アスリートメソッド
目的
ビルダー式同様にアスリート式もトレーニングの目的を考えてみましょう。
アスリートの目的はなんですか?
「パフォーマンスを発揮すること」です。
野球選手であればより速い球が投げられる筋肉。
バスケ選手ならより高く跳べる筋肉。
陸上選手ならより速く走れる筋肉。
といったように。
彼らの評価軸はパフォーマンスという唯一一点です。
そこには身体の美しさも、トレーニングの過酷さも加味されません。
つまり素早く動かせない身体は無価値なんです。
しかし同じ筋肉でも素早く動かせる人と、動かせない人がいます。
この違いはいったいどこから生まれてくるのでしょうか?
反動を使えるものが勝者の世界
先程の答えは「反動を上手に使えるかの差」です。
ジェットコースターの例でも説明しましたが、反動を使えば新たに加える力は少なくて済みます。
同じ力を発揮するのに反動を上手く使えないので100%の筋力を要する人と、反動を使うのが美味いので50%済む人とでは明らかに後者がアスリートとしては優秀です。
このロスがない分だけ、省エネでパフォーマンスを終えることができるからです。
自明のことですが筋肉は使えば使うほど疲労します。
その中で省エネを目指すのは当然ですよね?
実際に100m 走でも加速局面は50m 程度までで、その後は中間疾走といってスピードを維持する局面に入ります。
そこでいかにロスなく次の動作に移れるかが鍵です。
その後も無理にスピードを上げようとすると失速します。
なので本当に大切なアスリートの資質は「反動を使い自分の身体でいかに省エネルギーで高出力を出せるか」です。
となると、いちいち反動を殺すボディビル的トレーニングを年中していてはダメだということがわかるでしょうか?
ボディビル的トレーニングをしすぎるとパフォーマンスが下がる?
ここまでの議論から、ボディビル的トレーニングとアスリート的トレーニングは反動の利用という尺度で見ると、真逆ということがわかったでしょうか?
つまり極論を言うと、アスリートがボディビル的トレーニングばかりをしているとパフォーマンスが下がる可能性があるということです。
(ここで注意ですが、あくまでも可能性というだけで、ウエイトトレーニングをしてはいけないという意味ではありません。
むしろアスリートことボディビルダーのメソッドを見習って、オフシーズンに大幅なバルクアップを狙うべきです。)
理由は反動を使わないウエイトトレーニングがうまくなりすぎると、反動を使って高出力を挙げる能力が向上しない可能性があるからです。
これがいわゆる「使えない筋肉理論」の終着点だと思っています。
反動を用いずに大きくした筋肉なので、反動を用いて出力できるようにするトレーニングも追加しなければならないということです。
きちんと自分が目指す動きとの整合性をとる練習もしましょうよということですね。
つまりアスリートは反動を用いて、さらに高重量でトレーニングを行うことをオススメします、
アスリートにオススメのトレーニングに関してはまた別の機会に書きたいと思います。
まとめ
高重量かつ反動を用いない最大収縮でトレーニングをしましょう。
今回の記事は参考になりましたか?次はどの記事を読めばいいか、下の地図をタップして確認しよう!
みの

>>次のページは
『筋トレが停滞してしまったら最初に考えるべきたった1つこと』
この記事が気に入ったあなたへオススメの記事
「え?これ無料の範疇超えてません?」と言われた
モテるための筋トレスクールに体験入学しませんか?

- 有料級トータル7時間のセミナー映像
- 15分の筋トレ電話コンサル
- 自分専用ページの会員サイト
を含む18個の無料プレゼントをあなたも今スグ手に入れよう!
Comment
山本義徳さんの著書で、大胸筋は高重量、上腕二頭筋は高回数など学んだんですが、もっと詳しく解説してくださると嬉しいです!また、大胸筋でもプレス系とペクトラル系では負荷のかけ方も変わってくるって前にマンタローさんからも教わったのですが、いまいち体系的に理解できていません。お時間あればでいいので、また教えてください!
この記事に質問するのが正しいか分かりませんが、教えて頂きたく。
先日デッドリフトをした時に腰を痛めてしまいました。
再発しない為にベルトの購入を考えており、また腹圧のかけ方を勉強してます。
そこで質問なのですが、みのさんが普段筋トレをする時に怪我をしないように気をつけていること、またフリーウェイト初心者が怪我をしない為にどのような事に気をつければ良いか教えて下さい。
宜しくお願いします。